優良特定産地

農業の役わり

農業には、まず毎日の食料をつくって、人の命を育むという大切な役割があります。また、水田は雪や雨をたくわえる「自然のダム」として、洪水や地すべりなどの災害から守ってくれ、おまけにきれいな水や空気をつくる働きもしています。さらに、農業と深いかかわりを持つ行事・風習などが、各地に伝わる文化をおしえてくれています。そして、農村の美しい風景は、わたしたちが自然と親しめる場所にもなっています。

  • 食べ物をつくる
  • 環境を守る
  • 文化を次の時代へ伝える
  • 緑ゆたかな自然とのふれあい



気候

新潟県は日本海側にあり、春から夏には比較的よい天気が続き、雨も適度に降ります。冬になると、山間部を中心に多くの雪が降ります。この雪による大量の水が利用できること、夏は稲の成長に適した高温の日が多いこと、冷害や台風などが少ないことなどから、昔から稲作を中心とした農業が行われてきました。

札幌と新潟の気温のちがい東京と新潟の降水量のちがい

新潟県の自然と農業の役わり

日本海側にあって、山と川に恵まれている新潟県は、米の産地で有名です。日本一長い信濃川をはじめ、たくさんの川が肥えた土と豊かな水を運んでくるため、下流には豊かな平野が広がっています。この自然が米づくりの条件に合っていたため、米づくりがさかんにおこなわれるようになったのです。この平野を中心とした農地面積は、日本で第2位(平成13年)の広さになります。

水田の水の流れイラスト
水資源を守る水田の役割
全国の水田の貯水量は、44億トン。日本最大のダムとされる福島県の奥只見ダムの有効貯水量は約4.6億トンなので、約30センチの浅い池のようでも、水田はとてつもない大量の水をためていることがわかります。
日本の雨の量は多く、梅雨時や台風の季節には、こう水がおこりやすいのですが、水田が大量の雨をためて、ゆっくり流すため、こう水をふせいでいます。また、大量の雨が急激に流れても、水田の土砂は、あぜでせき止められているので、この土砂が流失して地すべりがおこることもありません。
水田の水は太陽によって蒸発し、気温の上昇をふせいだり、ふたたび雨雲をつくって雨をふらせます。また、水田にためている水はたえず地下にしみこみ、約60%は川へ、約40%は地下水となります。そのせいで水のくみあげによって起こる地盤沈下(じばんちんか)もふせいでいるのです。
さらに、かんがい水に含まれる余分のちっ素は、水田の土を通っていく間に無害のちっ素として、空中に放出されるという研究結果も出ています。
このように、水田は大切な水資源を保つのに、大きな役割を果たしているのです。